微地形分類図(砂防微地形を表現した主題図)は空中写真を判読して作成することから、ここでは -空中写真の基礎知識- について簡単に紹介する。
空中写真には航空機から地表を斜方向に写した空中斜写真もあるが、ここでいう空中写真は航空機が地表を垂直に撮影した写真をいう。
航空機はカメラを地表面に垂直に設置して飛び、ほぼ一線上(コース)を撮影範囲が約60%重なる(オーバーラップ)よう連続的に撮影する。折り返し次のコースは前のコースに平行に前コースの写真と約30%撮影範囲が重なる(サイドラップ)ように連続撮影する(下図参照)。

空中写真の縮尺はレンズの焦点距離と撮影高度(と撮影地点の標高)でほぼ求めることができる。
撮影時期や縮尺等により得られる情報は異なる。地形判読などのためには落葉後に撮影され縮尺も大きいほうがより情報が得やすい。
わが国の空中写真の撮影は下表に示すとおりである。
| 撮影計画機関 | 撮影範囲 | 撮影年次 | おおよその縮尺 | 照会・頒布先 |
| 国土地理院 | 全国の平野部及び周辺地域 | 1960〜 | 1/20,000〜1/25,000 (一部 1/10,000) |
国土地理院,(財)日本地図センター |
| 国土全域 | 1964〜 | 1/40,000 | ||
| 国土全域(カラー) | 1974〜 | 平野部 1/8,000〜1/10,000 山岳部 1/10,000〜1/15,000 |
||
| 林野庁都道府県林務課 | 山地部 | 1952〜 | 1/16,000〜1/20,000 | 林野庁,都道府県林務課,(社)日本森林技術協会 |
| 米軍 | 国土全域 | 1946〜1948 | 1/40,000 | 国土地理院,(財)日本地図センター |
| 鉄道沿線主要平野部 | 1/10,000 | |||
| 防災科学技術研究所等ほか官公庁,民間等 | 各地 | 1952〜 | さまざま | 防災科学技術研究所等ほか官公庁,航空測量会社 |
大きく国土地理院,林野庁(都道府県林務課)の2系列と、米軍が占領直後の昭和21年から23年にかけて撮影した写真がある。このほか、主として災害直後に民間航空会社、防災科学技術研究所(旧科学技術庁国立防災科学技術センター)が撮影を実施し、保管しているものもある。
国土全域を対象とする場合には撮影地区(全国を分割)ごとに順次撮影しており、原則として5年毎に同一の地区が撮影されている。
撮影された写真の主点(写真の中心点)を○印で地形図上にあらわしたものを標定図と呼ぶ。地形図(主に1/50,000)上に主点をプロットしコース番号や写真番号が付けられ、撮影地区番号や地区名とともに整理されている。例として、国土地理院が撮影した航空写真の標定図を示す。
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| 「この地図は、国土地理院長の承認を得て、空中写真標定図を複製したものである。」 (承認番号 平17総則、第14号) |
撮影地区番号中のSIは四国を、2XのXは縮尺が約1/2万(Yの場合であれば約1/4万)を示している。林野の場合は撮影地
区番号が山番号や年度番号で整理されているほかは、国土地理院の場合とあまり変わらない。
空中写真判読は連続撮影された隣どうしの2枚の写真を左右に並べ立体視(実体視)する。立体視には平行法と交差法があるが、平行法は遠くを眺める視線、つまり平行に近い視線で見、交差法は寄り目にして、つまり視線を一度近いところで交差させて見る方法である。
われわれは普通平行法でみるので左写真を左目で、右写真を右目で同じ場所を同時に見ながら両方の像を1つにするように調整し立体像とする。写真を左右逆に置いた場合(交差法)は山と谷の凸凹が逆に見える。
例として、国土地理院撮影の写真で例を示す(承認番号 平17総複、第808号)。
立体視(実体視)は肉眼によるほか、簡易実体鏡、反射式実体鏡、ステレオミラービューワなどを利用することによって容易に見ることができる。空中写真の立体視については、地図センターの地図博士の部屋などにも記載されている。
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| 簡易実体鏡 | 反射式実体鏡 | ステレオミラービューワ |